ヒトメボ

アイドルライター

篠本634

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 アイドルグループに「恋愛禁止」の決まりがあったり、恋愛スキャンダルが発覚するとファンが激怒したり、アイドルには『処女性』が求められる風潮がありますよね。でも、そもそもなぜアイドルは『処女』でなくてはいけないの…?

 そこで、『AKB48ヒストリー ~研究生公式教本~』などの著書を持つアイドルライターの篠本634さんに、『アイドルと処女性』の関係について聞きました!

処女性を求める風潮が高まったのはモーニング娘。から!?

「その昔、井森美幸が『まだ誰のものでもありません』というキャッチフレーズだったり、薬師丸ひろ子の映画でのキスシーンにファンが悲鳴を上げたりと、昔からアイドルには処女性が求められていました。

ただ当時は、アイドルをプロデュースする側が処女性を強調する売り出し方をしていたんです。今のように、ファンが処女性を求める傾向が加熱したのはモーニング娘。が『恋愛禁止』というルールを作ってからだと言われています」(篠本さん)

 たしか、最初に恋愛スキャンダルが原因で脱退したのは矢口真里さんでしたよね?

「そうですね。ここで運営側が『恋愛をしたらクビ』というペナルティを示したことで、それまでファンの中になんとなくあった『アイドルは恋愛してはいけない』という意識が強まったのだと思いますね」(同)

アイドルはけがれていないからこそ輝いている!?

 では、ファンが処女性を求めるのはなぜなんでしょう?

「アイドルを応援する人は多かれ少なかれ、アイドルに対して『普通の女のコとは違う特別な存在だ』というイメージを持っています。その最たるものが『俗的なものでけがれていない』という処女性。『けがれていないからこそアイドルはキラキラと輝ける』と考えるファンは思いのほか多いんです。ですから、昔からファンの意識の根底には、『アイドルとは処女であり、神聖なものであるべき』という考えがあるんですよ」(同)

 さらに、アイドルを「応援したい!」という気持ちにも処女性が関係しているそう。

「ファンが最も応援したくなるのは、『自分だけに心を開いてくれる』メンバーです。AKB48の中でも、友達が少なさそうな『ぼっち』(『ひとりぼっち』の意)なメンバーが人気になることがありますが、それはファンが『あのコは友達もいないぐらいだから、きっと恋愛もしていないんだろう…』『オレが応援してあげないとダメなんだ!』と思うからなんです。

そのため、恋愛スキャンダルが発覚すると、『このコはオレがいなくても大丈夫なんだ…』と、ファンは本気でそのアイドルを推せなくなってしまうんですよ」(同)

 だから、恋愛スキャンダルがあると、一気に人気が下がるんですね。他にも、アイドルに恋愛が許されない理由ってあるんですか?

恋愛している=一生懸命頑張っていない!?

「ファンは好きなアイドルを応援するために、CDを買って握手会に行ったり、ライヴに行ったりと、労力やお金を費やします。それができるのはアイドルがレッスンに励んだりして、ファンを楽しませるために頑張っていることを知っているからなんです。

でも恋愛をしているとなると、ファンは『このコは、他のことにエネルギーを使って、アイドル道をマジメにやっていない』と、裏切られた気持ちになるんですね。一生懸命頑張るアイドルにしか、ファンは投資できないんです」(同)

 そうは言っても、20代のアイドルもいる中で『処女である』と思い続けるのは、ちょっと無理があるような…。

ファンは、アイドルが紡ぐ『物語』を愛している!

「アイドルをやっている女のコが恋に興味を持ったひとりの『人間』であることがわかっているファンもたくさんいます。でもその上で、アイドルが必死になって見せてくれる『物語』を楽しみたい、その『物語』を恋愛スキャンダルなどで壊されたくないと考えるんです」(同)

 でも、AKB48の総選挙で恋愛スキャンダルのあった指原莉乃さんが1位になったケースもありますよね。最近は、アイドルに処女性を求めるファン心理が変わってきているのでしょうか?

「いや、指原さんの場合は『アイドル』というよりも、『タレント』としての人気が高かったんです。そこで、例年なら総選挙に投票しないような、アイドルファン以外の人達が多く投票したのではないでしょうか。あの現象は、『アイドル力』に『タレント力』が勝ってしまったゆえの結果だと思いますね」(同)

 なるほど、「処女性」以外の要素がアイドルの人気を決めるケースもあるんだ!

「現在は多くのアイドルグループがあり、いろいろな売り出し方をされています。ただ、今も昔も『アイドルは恋愛を捨てて努力する』ということだけは、基本変わりません。それはきっとこれからも変わることのないルールなんだと思いますよ」(同)

 だから、『恋愛をしない』『処女である』ことは、『アイドルであるための掟』になっているんですね。アイドルの世界って、想像以上に厳しいんだ…!!

(岡本温子/short cut)
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岡本温子

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