ヒトメボ

心理学研究家

栗原典裕

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 異性の髪型や服装へのコメントはなかなか難しいもの。似合っていないときの伝え方はもちろん、誉めるときも場合によっては社交辞令と捉えられてしまうかもしれません。青山コミュニケーションセミナー代表の栗原典裕さんに、異性の髪型や服装が変わったとき上手に評価するコツを伺いました。

 まずは、髪型の評価の仕方から。「似合っていたとき」「イマイチなとき」「やめさせたいとき」の3パターンをそれぞれ聞きました。

【髪型の評価】

似合っていたときは、「かわいいね」などのシンプルな言葉で構わないので、とにかく早く!

「髪型の変化は見た目ですぐに分かるので、会った瞬間に誉めることが大事。会ってから時間が経ってしまうと、いくら真剣に誉めても『気を遣っている』と思われてしまいます。ですので、髪型が似合っていたなら、言葉は何でもいいのでとにかく早く誉めましょう」(栗原さん)

 髪型の変化は外から気付きやすい分、誉める際のスピード感がリアリティをもたらすんですね。

イマイチだったときは、「思い切ったね!」「だいぶ印象変わったね」など、“見えないところ”を誉めていく

「髪型はすぐに変えられないことが多いので、イマイチの評価をそのまま伝えると相手は大きく傷つきます。ムードも悪くなるでしょう。かといって『似合っている』と思わせてしまうのも考えもの。ですから、髪型を変えた相手の気持ちや印象面など、目に見えない部分に誉めるポイントを置きます。さらに『○○すればもっといいかも』と付け加えて、相手を傷つけず、かつ完全に満足していないことを悟ってもらいます」(同)

 髪型そのものの評価からポイントをズラすんですね。確かに言われた相手は、「ベタ誉めされている」という印象は受けないかも。

やめさせたいときは、「ロングのときも俺は好きだったけどね」など、個人的な好みを小出しにする

「あまりダメージを与えず、でも否定気味の評価をしたいときは、『あくまで個人的な意見』というスタンスを出すのがポイント。良い悪いではなく、自分の好き嫌いだと前置きしたほうが相手は受け入れやすいですから。またそれを小出しにして少しずつ相手に伝えると、精神的なダメージを受けにくいでしょう」(同)

 露骨に否定して、相手を落ち込ませるのだけは避けたいところ。「個人的な意見」「小出し」の2つがカギのようですね。

 続いて、服装についての評価の仕方を、同様に3パターンで聞きました。

【服装の評価】

似合っていたときは、「○○さんがそういう服を着ると、なおさら明るい印象になるね」など、服とその人を同時に誉める

「ファッションを誉めるとき、服だけに言及するとあくまで“モノを誉めた”ことになります。しかし、併せてその人のパーソナリティを誉めると、相手は自信を得られ喜んでくれるでしょう。『○○さんみたいなクールな人は、シックな服が似合うよね』など、服とその人の個性を同時に誉めるようにしましょう」(同)

 2つを同時に誉めるということは、その人と服の“好相性”という意味にもつながるかもしれません。

イマイチなときは、「夏場ならピッタリなのに」「もう少し明るい場所ならもっと似合う」など、ズレ感を指摘する。

「服はブランド物だと高価ですから、不用意に否定するとやはり相手へのダメージは大きくなります。さらにその人自身のセンスがダメ出しされているように感じるので、気をつけなければなりません。そこで本人も服も傷つけず、『TPOの面でズレている』という表現に終始します。これなら相手は否定されている感覚にはなりませんし、かといってそのファッションが好評とも捉えません」(同)

 これは少しテクニックがいりそうですが、うまくできれば「イマイチ感」は伝わるかも。

やめさせたいときは、「○○さんはいつもシックな服だけど、明るめの服ならもっと似合うんじゃない?」と、さらに上があることを伝える

「ストレートに『似合ってない』と伝えるのは、相手を否定することになるので、やはり避けるべき。ならば『もっと上がある』という言い方で、その人のポテンシャルを誉めつつ、別のファッションに目を向けるよう伝えましょう。そのとき、なるべく具体例を出すのが理想。それが厳しくても、『もっと似合うブランドありそうだけどなあ』くらいの表現で効果はあるはずです」(同)

 これは実行する前に、頭の中で一度シミュレーションするとよさそう。思いつきで「○○のが良さそう」なんて言ったら「え、○○もよく着てるけど」と返される可能性がありますから。

 恋人同士になると、髪型や服装を評価するシーンはたびたび訪れるもの。なお、男性はよく「相手のイメチェンに気付かず怒られた」と嘆く場面もありますが、これを防止するには「人と会う際に、毎回違いがないか上から下までチェックするクセを付けること」と栗原さん。相手の変化にすぐ気付き、その評価をうまく伝えられる大人になりたいですね。

(有井太郎+プレスラボ)
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有井太郎+プレスラボ

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