ヒトメボ

男女コミュニケーションアドバイザー

植田愛美

  • twitter
  • facebook
  • line
  • はてなブックマーク
  • コメント入力フォームに移動する
  • 評価フォームに移動する
読了時間:約4分

 付き合う前は毎晩のように電話してドキドキ、一喜一憂したもの。でも、付き合ってからしばらく経つと、露骨に面倒くさがったり用件だけで済ませようとしたり…。そんな彼の行動に心当たりはありませんか? その一方で、女性には付き合ってからも長電話したいという人が多いですよね。こうした「電話」に対する男女の意識差について、 恋愛コラムニスト・植田愛美さんにお話を伺いました。

男性が「会ったほうが早くない?」「オチは?」となってしまう理由

「これは脳の構造の違いによるものだと考えられます。男性は女性より空間認識力が発達しています。空間認識力とは、対象となる物の距離や方向などを察知する能力のこと。狩猟時代に男性が狩りをしているとき、遠くにいる獲物を目で追って捕まえていたことから発達したと言われています。しかし、男性の現代の獲物=女性と電話で話しても、狩猟本能をかき立てられず、興味が今ひとつ沸きません。つまり、視覚的に女性を認識しないと男性本能が刺激されないのです。『長電話するくらいなら会ったほうが早くない?』と思ってしまうのは、そのためなんです」(植田さん)

 よほどの遠距離恋愛ならともかく、電話している時間を移動に使えば会いに行けますもんね。

「一方、男性より言語中枢が発達している女性は、言葉を発することで、頭の中を整理したり、物事を解釈したりする傾向があります。だから女性はつまらないことでも、とにかく声に出して話すことが必要。しかし男性は、会話を通じて物事を整理する必要性がほとんどありません。そうした理由から、男性は視覚を通じて女性を認識できないうえ、女性にありがちなオチのない話を聞かされてしまうため、『長電話』を苦手に感じてしまうのです」(同)

 たしかに、女性にオチのない話をされて「結局、何が言いたかったのだろう? 」と思った経験、筆者もあります…。でも、恋愛初期の頃は、男性も好きな相手との長電話を嫌がりませんよね?

男性にとっては「情報伝達ツール」、女性にとっては「不安解消ツール」

「それは、男性は電話を『情報伝達のツール』と捉えているため。付き合う直前は相手の気持ちを完全に掴みきれていない分、相手のことを知りたいと思っているし、そもそも相手の『情報』自体が少ない状況。男性も、長電話をすること(=自分のために費やす時間が長いこと)で、相手の好意の度合いを潜在意識的に察知できるので、さほど苦にならないのです。

 また、付き合ったばかりのカップルはお互いに知らない部分が多く、気を使ってしまうことが多いもの。恋愛初期で電話を通じて相手に自分のことを伝えることは、ミスコミュニケーションを防いだり、互いの距離を縮めるのに有効な手段となるのです。だから必然的に、恋愛初期は長電話になりがちなんですね」(同)

 お互いに知らないことが多い時期は、男性も相手の情報をより知るために積極的なんですね。でも、あくまで電話は男性にとって情報伝達ツールにすぎないから、次第に意味を見出せなくなっていくと…。

「そうなんです。しかし、なぜ女性は付き合いが深まってからも長電話を好む傾向にあるかというと、それは電話を『相手の気持ちを量るツール・不安解消ツール』と捉えているから。時間を割いて話を聞いてくれることで、安心するのです。女性の気持ちを大切にしたいのであれば、男性はたとえ長電話が苦手だとしても、対応してあげてほしいですね」(同)

 お互いにこうした意識差を頭の片隅に留めておけば、彼も「この時間が大事なんだな」とゆったりと話を聞く姿勢になれ、彼女もできるだけ話にオチを付けたりして、また付き合う前のような情熱的な長電話ができるようになるかもしれないですね。

(冨手公嘉/verb)
  • twitter
  • facebook
  • line
  • はてなブックマーク

評価

ハートをクリックして評価してね

評価する

コメント

性別

0/400

comments

すべて見る >

ライター

冨手公嘉

verb

あわせて読みたい