ヒトメボ

コピーライター、コラムニスト

まついゆうへい

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読了時間:約4分

 女友達から「可愛い子紹介してあげる」と言われて紹介された子が、まったく自分の予想とは異なってガッカリ…。そんな苦い経験をしたことのある男性って、結構多いのではないでしょうか。どういうわけだか、男女の「可愛い」の価値観には、超えられない壁を感じますよね…。

 でも、具体的に男性の言う「可愛い」と女性の言う「可愛い」って、どこがどう違うのでしょう? 単純に見た目だけのことを言っているのか、性格も含めた内面的なことを言っているのか…? 男女で「可愛い」の価値観にズレが生じてしまうワケを、脳科学や恋愛心理に詳しいまついゆうへいさんに教えてもらいました。

 まついさん、私たちが何かを「可愛い」と思う感覚って、男女それぞれ、何を見て判断しているものなのでしょうか?

「多くの男性は、まずは見た目の好みで女性を判断します。同時に、女性を観察するときは顔とウエストも見ています。これは、オスの本能として無意識に行っていること。生物としてのオスの役割はなるべく多くの子種を残すことですから、そのためには女性の若さを顔で判断する必要があります。また、キュッと引き締まったウエストのくびれは女性ホルモンが豊富な証拠。これにより、妊娠のしやすさを見抜いているのです。つまり男性は、本能として先天的に備わっていた基準と、自分の環境や年齢などによって変わる後天的な基準の2つから、女性を可愛いかどうか判断しているのです」(まついさん)

 なるほど。よく「昔はギャル系が好きだったけど今は清楚系が好き」など、好みのタイプが変化したという男性の話を聞きますが、これは後天的な好みの変化によるものと言えそう。いずれにしても、男性の「可愛い」は、ヴィジュアル重視ということですね。しかし、単純な「好み」だけでなく、先天的な要素も伴っていたとはちょっと驚き…。では、女性は?

「女性は、男性のように必ずしも顔やスタイルを基準にしているわけではありません。それよりも、性格を重視して総合的に『可愛い』と形容していることのほうが多いでしょう。その理由は、歴史をさかのぼると明らかになります。狩猟時代、女性は夫が狩りに出かけている間、自分と子どもを守っていかなければなりませんでした。そのためには、周囲の女性達との関係を良好に築く必要があります。もしも、ほかの女性たちとうまくコミュニケーションが取れなければ、仲間外れにされてコミュニティから追い出されてしまうことだってあったはず。ですから、女性は協調性を重んじ、仲間とうまくやっていけそうな人を好むようになり、その結果、見た目以外の要素で『いい人』と認めた人のことを『可愛い』と形容するようになったのでしょう」(同)

 女性にとっての「可愛い」には、より人間性を重視した女性同士ならではの判断基準が関わっているんですね。

「とはいえ、女性は男性の言う『可愛い』の感覚が分からないわけではありません。むしろ、顔やスタイルが良いほど男性にモテるのを知っています。それでも素直にそのような人のことを可愛いと言わないのは、おそらく嫉妬心が関係しているのでしょう。自分の容姿に自信のない人ほど、嫉妬心から『あの子、容姿はいいけれど、性格を含め全体的に可愛くない』と判断していることはあるかもしれません」(同)

 つくづく、女性同士って複雑…。でも考えてみたら、芸能人やアイドルのことは真正面から「可愛い」と絶賛する女性も多いですよね。もしかするとそれは、芸能人は自分たちとコミュニティを築く可能性も少なく、余計な嫉妬心も働かないため、客観的な見方ができているということなのかもしれません。

 本能的なものが関わっている以上、男女で「可愛い」の価値観にズレが生じるのは仕方のないことなんですね。「可愛い子紹介して」の一言だけでなく、より具体的な好みを伝えるなど男性側もリクエストの仕方にひと工夫してみると、成功率がアップするかもしれませんよ!?

(池田香織/verb)
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ライター

池田香織

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