ヒトメボ

コラムニスト

島田葉子

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 昭和のアイドルから誕生した「ぶりっこ」という女子のジャンル。いつの時代も男性を翻弄し続けてきた彼女達ですが、時代とともにさまざまな生態に分類されるようになりました。そこで今回は、ぶりっこの誕生から現在までの歴史を振り返り、独自に研究した「ぶりっこ進化論」を発表! ぶりっこの生態に詳しく、自らもぶりっこだと豪語(?)するコラムニストの島田葉子さんに、ぶりっこについて解説していただきました!

「昭和のぶりっこ代表と言えば、聖子ちゃんですよね。人前でわざと無知を装ったり、非力さをアピールするといった“ぶりっこの典型”はここから誕生しました。この典型的ぶりっこは、『かよわい』『小さい』『儚い』といった部分をウリにして男性にアピールするのが大得意。もちろん同性からは妬みの対象となりました」(島田さん)

 もともと「ぶりっこ」とは、「かわいい子ぶる(かわいいふりをする)子」が語源との説が一般的。元祖ぶりっこは、とにかく猫を被って可愛い自分を演出していたようです。

「その後、平成に入って“天然”や“不思議ちゃん”と呼ばれるジャンルも生まれてきました。さとう珠緒さんやゆうこりんなど、昭和のぶりっこの形を残しつつも、独自のワールドを形成し始めたのが特徴です」(同)

 彼女達の持ちネタである「プン、プン」や「こりん星」発言も、まだまだ記憶に新しいところ。過剰なキャラ作りにバッシングを受けながらも負けじと自身のキャラを貫いていた彼女たちって、じつはかなりスゴイかも(笑)。

「そこからは徐々にメディアの流れが変わってきて、男に媚びる女性はカッコよくないという風潮が目立つように。藤原紀香さんや米倉涼子さんなどの“強い女”にスポットが当たるようになると、今までのようなアピールでは時代的に古いんですよね。これは、不況の影響もあると思います。景気のいい時は男性もお金に余裕があって女性のワガママも聞いてあげられますが、景気が落ち込むとそうもいきません。女性もぶりっこしている場合ではなくなって、しっかり働いて自立しようとします。するとぶりっこは徐々に減っていきます」(同)

 確かに最近は、あからさまなぶりっこってなかなか見なくなった気がします! では、現在ウケるぶりっこの形ってどんなものなの?

「じつは昔も今も『同性に嫌われて、二面性を巧みに使い分ける』というぶりっこの定義自体は変わっていません。変わったのはその見せ方。ぶりっこはセルフプロデュース力に長けているため、自分が一番可愛く見えるポイントを熟知しています。また相手の男性がどんなタイプを好むのかを瞬時に読み取る、FBI的な情報処理能力も持ち合わせています。これらを駆使して、男性をモノにするのです。普段はサバサバした人がお酒を飲んだ時に見せる甘えた表情などは、ぶりっこの得意ワザ。それと、『赤ちゃん』と『ペット』はぶりっこの大好物です。普段は別に好きでもないのに、男性の前だとやたら『可愛い~』を連発します。ほかにも、ガード下の居酒屋に過剰に喜ぶ、庶民的ぶりっこもいます。『こういう所来てみたかったの』と言いつつ、たいていは翌日女友達に「昨日あんな店に連れて行かれたんだけど」と愚痴っていることでしょう(笑)。最近は漫画『江古田ちゃん』に登場する『猛禽』というジャンルも出てきましたよね。異性ウケがよく、どんな獲物も狙ったら逃さないのが猛禽の特徴です。合コンでも、一番の人気者を確実にゲットしていくのが彼女たちです」(同)

 す、すごい! なんだか最近のぶりっこはどんどん賢くなっているような…。一体今後はどんなぶりっこが登場するのでしょう!? ちょっと怖いけど、その生態を覗いてみたいです。

(池田香織/verb)
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ライター

池田香織

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